【初めての貨物運送許可】 一般貨物と特定貨物の違いとは? ― 同じ「許可」でも区分される理由 ―

第4回では、「許可・届出・対象外」の見分け方を整理しました。
その続きとして、今回は 「許可が必要なケース」 の中でもよく出てくる、

  • 一般貨物自動車運送事業

  • 特定貨物自動車運送事業

の違いをまとめます。

まずは法律上の定義から

貨物自動車運送事業法(第2条)では、次のように定義されています。

  • 一般貨物自動車運送事業
    他人の需要に応じ、有償で、自動車(軽自動車・二輪を除く)を使用して貨物を運送する事業で、特定貨物自動車運送事業以外のもの

  • 特定貨物自動車運送事業
    特定の者の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業

ここで重要なのは、一般貨物は「荷主を限定しない前提」、特定貨物は「特定の者の需要に応じる」前提、という点です。

一般貨物のイメージ

一般貨物は、ざっくり言えば

荷主を限定せず、依頼があれば幅広く運送を受けるタイプ

の事業です。

運送の相手(荷主)が増えることも想定されやすく、「運送会社」として一般に想像される形態は、多くが一般貨物に整理されます。

特定貨物のイメージ

特定貨物は、

ある特定の荷主(運送需要者)の需要に応じて運送するタイプ

です。

ポイントは「たまたま今は荷主が1社」という状況ではなく、制度として“特定の者の需要に応じる事業形態”になっているかという点です。

運輸局の審査基準(国交省系資料)では、特定貨物について

  • 運送需要者が単数で特定されていること

  • 当該荷主の輸送量の大部分を確保できること

  • 運送契約の締結や運送の指示に、第三者を介入させないこと

といった条件が示されています。

(※ここは「単に取引先が1社」というだけでは足りず、事業の仕組みとして“専属性・安定性”が説明できることが要点です。)

「荷主が1社=特定貨物」とは限らない

よくある理解として、

  • 荷主が1社 → 特定貨物

  • 荷主が複数 → 一般貨物

という整理がされがちです。

ただ、法律上の定義は「特定の者の需要に応じるかどうか」です。
そのため実務的には、次の点を一緒に見て整理するのが安全です。

  • その荷主の需要に“特定されている”と言えるか(専属性)

  • 輸送量が継続的に見込めるか(安定性)

  • 契約や運送指示が直接行われ、第三者が介在しない形か

「今は1社だけ」という事情だけで決めるより、将来の受託範囲(他社の荷物を運ぶ可能性)も含めて整理するのが現実的です。

許可要件は基本的に共通、ただし特定貨物には“例外”があり得る

一般貨物と特定貨物は、どちらも許可制で、運行管理・整備管理・営業所・車庫など、基本的な審査項目は共通します。

その上で、車両数については、審査基準資料において

  • 原則:営業所ごとに5両以上

  • ただし特定貨物では、輸送量など実情に応じて、地方運輸局長が5両未満を認める場合がある

という扱いが示されています。

ここは、次のように理解すると読みやすいです。

  • 一般貨物:原則5両以上で考える

  • 特定貨物:原則は同じく5両以上だが、事業の実態(輸送量等)を説明できれば例外が認められる可能性がある

※「必ず緩和される」という意味ではなく、ケース次第です。

まとめ

  • 法律上、一般貨物は「特定貨物以外」、特定貨物は「特定の者の需要に応じる運送」

  • 判断は「荷主が1社か複数か」だけでなく、専属性・輸送量の確保・契約と指示の流れも含めて整理する

  • 車両数は原則5両以上。特定貨物では、実情に応じて例外が認められる場合がある


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