【初めての貨物運送許可】自家用と事業用の違いとは?―「他人の荷物を有償で運ぶ」かが分かれ目―

第1回では「貨物とは何か」を整理しました。
第2回は、許可申請を検討するうえで重要な 「自家用」と「事業用」の違いをまとめます。

先に結論を書くと、分かれ目はシンプルです。

  • 他人の需要に応じて

  • 有償で

  • 貨物を運ぶ(事業として行う)

この要素がそろうと、貨物自動車運送事業法の枠組みで「事業(=事業用)」として扱われる方向になります。

一方、自社の荷物だけを自社のために運ぶようなケースは、原則として「自家用」のイメージに近く、まずは「貨物自動車運送事業(許可や届出の対象)」に当たるかどうかの検討が必要になります。

「事業用(営業用)」とは何を指すのか

貨物自動車運送事業法は、貨物運送を “事業”として行う類型を、次のように区分して定義しています。

  • 一般貨物自動車運送事業:他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業(※特定貨物以外)

  • 特定貨物自動車運送事業:特定の者の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業

  • 貨物軽自動車運送事業:他人の需要に応じ、有償で、軽自動車等を使用して貨物を運送する事業

ここで共通しているキーワードが、まさに

他人の需要に応じ/有償で/貨物を運送する

です。

「自家用」とは何を指すイメージか

「自家用」という言葉自体は、日常的には

  • 自分(自社)の貨物を

  • 自分(自社)の業務のために

  • 自分(自社)で運ぶ

という意味で使われることが多いです。

このような形は、上で見た “他人の需要に応じて有償で運ぶ” という構造とは違うため、少なくとも「貨物自動車運送事業(一般/特定/軽)」に該当するかどうかの入口で、切り分けの対象になります。

大事なチェックポイント(境界線)

まず次の3点を順に見ていくと整理しやすいです。

チェック①:運んでいるのは「誰の貨物」か

  • 自社の貨物だけ → 自家用寄りの整理になりやすい

  • 他人(荷主)の貨物 → 事業(貨物自動車運送事業)の検討に入りやすい

チェック②:依頼(需要)に応じているか

  • 社内の業務として運ぶ(自社都合の配送・社内物流など)

  • 外部からの依頼に応じて運ぶ(顧客・荷主の需要に応じる)

チェック③:有償か(運送料として対価を受けるか)

  • 運送自体の対価を受ける → 事業性が強くなる

  • 運送としての対価は受けない → 事業(運送業)とは別物として整理されやすい

「許可」になるのか、「届出」でよいのか

一般貨物・特定貨物は「許可」

  • 一般貨物は「許可」が必要です。

  • 特定貨物も、国交省の手続一覧上「許可」手続として整理されています。

軽貨物(貨物軽自動車運送事業)は「届出」

一方で、軽貨物は 国土交通省(運輸支局長)への届出として案内されています。
(国交省が「貨物軽自動車運送事業経営届出書」の様式を公開しています。)

具体例でイメージ(よくあるパターン)

自家用寄りになりやすい例

  • 自社が仕入れた資材を、自社の現場へ自社トラックで運ぶ

  • 自社倉庫間の在庫移動を、自社の社員が自社車両で行う
    (=「他人の需要に応じて有償で運ぶ」構造ではない)

事業用(貨物自動車運送事業)の検討に入りやすい例

  • 荷主から依頼を受け、運送料(運賃)を受け取って運ぶ

  • 特定の取引先の荷物だけを、契約に基づき継続的に運ぶ(特定貨物の検討)

軽貨物(届出)の検討に入りやすい例

  • 軽バン・軽トラで、他人の荷物を有償で運ぶ(いわゆる軽貨物)

まとめ

  • 「自家用」と「事業用」の分かれ目は、車種や見た目より“運送の中身”

  • 貨物自動車運送事業法の基本線は、他人の需要に応じ、有償で貨物を運送するかどうか

  • 一般貨物・特定貨物は 許可、軽貨物は 届出という整理が基本

  • 迷いやすいケースは、契約・請求の形(運賃相当の対価の有無)まで含めて確認する


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