そもそも「貨物」とは何か ― 貨物自動車と貨物自動車運送事業の考え方 ―
「貨物」と聞くと、多くの方がまずトラックを思い浮かべるのではないでしょうか。
実際、街を走る貨物車の多くはトラックであり、物流といえばトラック輸送、というイメージは自然なものです。
ただ、法律の世界では「トラックかどうか」だけで判断されているわけではありません。
この記事では、
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貨物とはどのようなものを指すのか
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どのような車両や運送が貨物自動車運送事業の対象になるのか
を、法律の考え方に沿って整理していきます。
「貨物」と聞いて思い浮かぶもの
多くの人が想像する「貨物」
一般的に「貨物」と聞いてイメージされやすいのは、
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商品や製品
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建材や資材
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食品や日用品
といった、いわゆる「モノ」です。
そして、それを運ぶ車として、トラックが思い浮かぶのは自然です。
ただし「トラック=貨物」ではない
一方で、法律上は、
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トラックだから必ず貨物
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トラック以外は貨物ではない
という整理はされていません。
重要なのは、
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何を運んでいるのか
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どのような目的で運んでいるのか
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事業として行われているのか
という点です。
貨物自動車運送事業法の考え方
法律が対象としているのは「何」か
貨物自動車運送事業法では、「貨物自動車運送事業」を次のように整理しています。
簡単に言うと、
自動車を使用して、
他人の需要に応じ、
有償で貨物を運送する事業
が対象になります。
ここで重要なのは、車の種類よりも「運送という行為の中身」が見られている点です。
貨物自動車運送事業の対象になる要素
法律上、ポイントになるのは主に次の点です。
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自動車を使用していること
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運んでいるのが「貨物」であること
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他人の依頼に応じていること
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有償であること
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継続的・反復的に行われていること
これらがそろうと、「貨物自動車運送事業」に該当するかどうかが問題になります。
「貨物」にはどんなものが含まれるのか
典型的な貨物の例
分かりやすい例としては、
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商品
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原材料
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建設資材
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食品
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家具・家電
などがあります。
これらは、一般的にも「貨物」としてイメージしやすいものです。
「人ではないもの」はすべて貨物なのか
ここで、少し立ち止まって考える必要があります。
法律上、「貨物」とは、単に「人ではないもの」をすべて指す、と明確に書かれているわけではありません。
ただ、実務上は、
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人の移動を目的としない
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物として運送される対象
であれば、「貨物」として扱われる可能性が出てきます。
誤解が生じやすい運送の例
例えば、次のようなケースです。
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イベント機材や展示用備品の運送
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店舗什器や内装資材の運搬
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工事現場へ運ばれる工具・資材
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レンタル機材や撮影機材の配送
これらは、人を運ぶものではありませんが、運送の実態によっては「貨物」として扱われる可能性があります。
その際には、
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何を運んでいるのか
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誰の依頼によるものか
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有償かどうか
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事業として行われているか
といった点を、一つずつ確認していくことになります。
重要なのは、
「トラックではないから関係ない」
「特殊な運送だから対象外」
と最初から決めつけないことです。
車両の種類より「運送の中身」が見られる
トラック以外でも対象になることがある
貨物自動車運送事業の対象は、必ずしも一般的なトラックに限られません。
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バン型車両
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冷蔵・冷凍設備を備えた車両
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特定の用途に特化した車両
であっても、
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他人の貨物を
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有償で
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事業として運送している
場合には、法律の対象になる可能性があります。
逆に、トラックでも対象にならない場合
一方で、
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自社の物だけを運んでいる
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無償で運んでいる
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事業性がない
といった場合には、トラックであっても貨物自動車運送事業に該当しないケースもあります。
なぜ「貨物」の整理が重要なのか
貨物自動車運送事業法では、運送の内容や使用する車両の種類によって、
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許可が必要な場合
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届出で足りる場合
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制度の対象外となる場合
が分かれています。
その判断を行う前提として、まず確認されるのが「そもそも貨物を運送しているのか」という点です。
そのため、
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車両の見た目
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世間一般のイメージ
だけで判断してしまうと、制度の理解がずれてしまうことがあります。
まとめ
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「貨物」と聞くとトラックを思い浮かべがちだが、それだけでは判断できない
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法律が見ているのは、何を・誰のために・どのように運んでいるか
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トラック以外の車両でも、貨物自動車運送事業の対象になることがある
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運送の内容によっては、他の制度や特例との関係もあわせて考える必要がある
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