【企業向け】育成就労制度施行後の技能実習はどうなる?経過措置を時系列で解説

はじめに|技能実習は「すぐに終わる制度」ではありません

育成就労制度の施行(令和9年4月1日予定)により、技能実習制度は将来的に廃止される方向が示されています。
しかし、制度施行と同時に技能実習が一律に終了するわけではありません。

出入国在留管理庁は、制度移行に伴う混乱を避けるため、技能実習について詳細な「経過措置」を設けています。
本記事では、企業の受入担当者向けに、育成就労制度施行後の技能実習の取扱いを、公式資料に基づいて整理します。

※本記事は、出入国在留管理庁が公表している資料(2026年1月時点)を基に作成しています。

大原則|育成就労制度施行後も技能実習は一定期間継続します

まず押さえておくべき大原則は、次の点です。

  • 育成就労制度の施行後も、条件を満たす場合には在留資格「技能実習」のまま技能実習を継続することが可能

  • 技能実習から育成就労へ在留資格を変更することはできない

育成就労制度は、技能実習制度とは別制度として設計されています。

ケース①|施行日時点ですでに技能実習を行っている場合

対象者

  • 令和9年4月1日より前に技能実習計画の認定を受け

  • 施行日時点で技能実習を行っている外国人

取扱い

  • 施行日以降も、在留資格「技能実習」のまま技能実習を継続可能

  • 認定済みの技能実習計画に基づき実習を行える

  • 在留期間の更新も可能

👉 制度施行を理由に、実習が中断されることはありません。

ケース②|施行前に計画認定・COE取得済みだが未入国の場合

ここは企業が特に注意すべきポイントです。

原則

  • 施行日前に

    • 技能実習計画の認定

    • 在留資格認定証明書(COE)の交付を受けている場合

令和9年6月30日までに入国する必要があります。

補足

  • 施行日前に申請したCOEが、施行日後に交付される場合もあります

  • この場合も、交付日から3か月以内かつ令和9年6月30日までに入国する必要があります

👉 この期限を過ぎると、技能実習としての受入れはできません。

ケース③|施行日以降に技能実習を開始する場合

施行日前に技能実習計画を申請していた場合でも、

  • 実習開始日が令和9年6月30日以前であること

  • 原則として同日までに入国・実習開始が完了していること

が必要です。

なお、施行日以降、新たに技能実習計画の申請はできません。

技能実習1号・2号・3号への移行の考え方

技能実習1号 → 2号

  • 施行日以降も引き続き可能

技能実習2号 → 3号

  • 施行日時点で技能実習2号を1年以上実施している者のみ可能

👉 3号へ進める対象者は、施行時点で厳しく限定されます。

技能実習計画の変更・中断・再開について

施行日以降であっても、

  • 病気・怪我等による実習中断

  • 実習計画の変更

については、変更認定を受けることで技能実習を継続可能とされています。

ただし、

  • 実習中断中に「技能実習以外」の在留資格へ変更した場合
    技能実習へ戻ることはできません

という重要な制限があります。

在留期間の更新・在留資格変更の取扱い

在留期間の更新

  • 施行日時点で技能実習で在留している者

  • 施行日以降に技能実習で入国した者

引き続き在留期間の更新が可能

在留資格の変更

  • 技能実習1号 → 2号

  • 技能実習2号 → 3号

➡ いずれも条件を満たせば可能

ただし、

  • 一度「技能実習以外」の在留資格へ変更した場合
    → 技能実習への再変更は不可

重要な注意点|技能実習から育成就労への在留資格変更は「想定されていない」

入管の公式資料(技能実習の経過措置に関する説明)では、技能実習生が「育成就労」へ在留資格を変更することはできない旨が注記として示されています。
このため、育成就労制度は「技能実習の延長」ではなく、制度開始後は制度設計に沿って別枠で運用される前提で整理する必要があります。

企業が今すぐ確認すべきチェックポイント

  • 現在受け入れている技能実習生の号数・開始時期

  • 施行日時点(令和9年4月1日)の実習状況

  • COE取得済み・未入国者の有無

  • 令和9年6月30日までに入国が必要な対象者がいるか

  • 将来、育成就労制度での新規受入れを行うかどうか

まとめ|経過措置は「猶予」ではなく「整理期間」です

育成就労制度の施行により、技能実習制度は段階的に整理されていきます。
しかし、公式に示されている経過措置により、

  • 技能実習が即時終了するわけではない

  • 一方で、期限・条件を誤ると受入れが不可能になる

という、非常に実務的な注意点が存在します。

企業側は、

  • 現在の技能実習への対応

  • 将来の育成就労制度への対応

を切り分けて整理することが重要です。

本記事は、出入国在留管理庁が公表している公式資料(2026年1月時点)を基に作成しています。
育成就労制度は施行前の制度であり、今後、法令・省令・分野別運用方針等により内容が変更される可能性があります。
個別の事案については、必ず最新の公式情報をご確認のうえ、専門家へご相談ください。

当事務所ができること

育成就労制度は、単に制度を理解していれば対応できるものではなく、

  • 書類の整合性

  • 受入れ体制設計の妥当性

  • 将来の監査・実地検査への耐性

までを見据えた、実務レベルでの準備が求められます。

当事務所では、
「とりあえず申請する」ための支援ではなく、
制度開始後も破綻しない受入れ設計
を重視しています。

具体的には、

  • 制度の最新情報を踏まえた個別相談

  • 受入れ企業ごとの実務整理

  • 育成就労計画・社内文書の設計支援

  • 将来の特定技能1号への移行を見据えた制度設計

までを、一貫してサポートします。

日本語講習に関する当事務所の関与について

育成就労制度では、日本語能力に関する要件や講習機会の確保が制度上重要な位置づけとなっています。

当事務所の代表は、日本語教師として10年以上の指導経験を有しており、
行政書士としての制度理解に加え、日本語教育の実務経験を踏まえた支援が可能です。

具体的には、

  • 制度上求められる日本語能力水準(A1・A2相当等)を踏まえた講習計画の整理

  • 現場の勤務形態やシフトを考慮した、現実的な講習スケジュール設計

  • 外部講師・教育機関を活用する場合の役割分担の整理

  • 「形だけ整えた計画」にならないための実務目線での助言

などについて、日本語教育の知見を活かして関与できる点は、当事務所の大きな特徴です。

育成就労制度では、書類上は日本語講習が整っていても、実務として機能しなければ制度運用上のリスクとなり得ます。

制度と現場の双方を理解した立場から、無理のない日本語教育体制を設計できることが、日本語教育経験を持つ行政書士ならではの強みであると考えています。

育成就労制度は、準備段階での判断ミスが、施行後の是正指導や運用上のトラブルにつながりやすい制度です。
検討段階から専門家を交えて整理することで、無駄な修正コストや人材流出リスクを抑えることができます。

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