日本で起業することを夢見る外国人の方にとって、「経営・管理」の在留資格取得は高いハードルとなっています。しかし、国家戦略特別区域(※1)に指定されている福岡市や北九州市が提供する「スタートアップビザ」を活用することで、そのハードルが少し緩和されます。本記事では、主に北九州市におけるスタートアップビザの概要や申請手続き、そしてそのメリットについて詳しく解説します。
・日本で起業を考えている外国人の方とその関係者の方
・スタートアップビザに興味のある方
・福岡県北九州市で事業を始めようと計画している外国人の方
※1 国家戦略特別特区域とは?
国家戦略特区制度は、成長戦略の実現に必要な、大胆な規制・制度改革を実行し、「世界で一番ビジネスがしやすい環境」を創出することを目的に創設されました。
経済社会情勢の変化の中で、自治体や事業者が創意工夫を生かした取組を行う上で障害となってきているにもかかわらず、長年にわたり改革ができていない「岩盤規制」について、規制の特例措置の整備や関連する諸制度の改革等を、総合的かつ集中的に実施するものです。
▷引用:内閣府 国家戦略特区ウェブサイトより
国家戦略特区では、13区域が指定されており、400を超える認定事業が行われています。福岡市や北九州市では、創業のための雇用改革拠点として、スタートアップビザ、スタートアップ法人減税、海外大学卒業留学生の就職活動の促進などの事業が行われています。
▷Additionally, we have written an article about the Startup Visa in English for foreign nationals.
Please click the image below to read it.
スタートアップビザとは?
日本で事業を始めようとする外国人は、通常「経営・管理」の在留資格を取得する必要があります。この在留資格を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります:
- 事業所の確保
- 常勤職員を2人以上雇用するか、資本金または出資金の総額が500万円以上
これらの要件は、特に新規に事業を始める外国人にとって大きな負担となります。そこで登場するのが「スタートアップビザ」です。スタートアップビザを利用することで、上記の要件を入国時に満たしていなくても、福岡市や北九州市が創業活動計画書等をもとに確認を行い、その確認を基に入国管理局が審査をすることで、6ヶ月間の準備期間を得ることができます。
この6ヶ月間の準備期間中に、事業所を確保し、必要な従業員を雇用し、資本金を準備することができるのです。
▷在留資格「経営・管理」については、こちらの記事で説明しています。
スタートアップビザのメリット
スタートアップビザの大きなメリットは、事業を進めながら在留資格の要件を整えることができる点です。通常、経営・管理ビザを取得するには、事業所の確保、常勤職員の雇用、あるいは500万円以上の資本金が必要ですが、スタートアップビザを利用することで、これらの要件を最初から満たす必要がありません。6ヶ月間の準備期間中に、事業計画を実行しながら必要な要件を整えることができます。この柔軟なアプローチは、新たな市場で事業を立ち上げる際のリスクを軽減し、安心してビジネスを進める助けとなります。
さらに、福岡市や北九州市は、事業所確保に関する特例制度も提供しており、認定コワーキングスペースを利用することができます。この特例制度により、高額なオフィス賃貸契約を結ぶ前に、コワーキングスペースを活用して事業を開始できるのです。これにより、初期コストを抑えつつ、ネットワーキングの機会を広げることも可能です。では、具体的に北九州市でのスタートアップビザの申請手続きの流れを確認しましょう。
スタートアップビザの申請手続き
北九州市のスタートアップビザの手続きは比較的シンプルですが、申請にはいくつかの重要なステップがあります。まず、創業活動計画書を作成し、北九州市に提出する必要があります。この計画書には、事業の具体的な内容、進行スケジュール、資金計画などが含まれます。
このスタートアップビザの申請において、この計画書の完成度が審査結果に大きく影響を及ぼします。必要な情報が細かく書けるか、不安な方は、行政書士などの専門家に相談することを強くおすすめします。
計画書が受理されると、創業活動確認証明書が発行されます。この証明書をもとに、福岡入国管理局で正式な在留資格「経営・管理」の申請を行います。
必要書類(北九州市)
スタートアップビザを申請するためには、以下の書類を準備する必要があります:
- 創業活動確認申請書
- 創業活動確認計画書
- 創業活動の工程表
- 履歴書
- 誓約書
- 6ヶ月間の住居を証明する書類(賃貸契約書の写しなど)
- 6ヶ月間の生活資金および帰国資金を証明する書類(銀行残高証明書など)
- パスポートの写し(身分事項記載面)
①~⑤の書類は、こちらの北九州市のウェブサイトからダウンロードすることができます。
すべての書類は日本語で記入する必要があります。
申請先と受付時間
申請は、北九州市産業経済局 地域経済振興部 スタートアップ推進課に提出します。申請受付時間は、平日の午前9時から12時、午後1時から4時までです。申請前に事前連絡が必要であり、郵送での受付は行っていないため、直接窓口に提出する必要があります。
創業活動確認証明書の交付
北九州市で創業活動確認を受けた後、創業活動確認証明書が交付されます。この証明書を福岡入国管理局に提出し、在留資格認定を申請します。すでに日本で何らかの在留資格を持たれている方は、在留資格の変更申請を行います。
在留資格認定後の手続き
在留資格が認定された後、日本に上陸したら、速やかに以下の書類を北九州市に提出する必要があります:
- 上陸報告書
- 在留カードの写し(表面・裏面)
また、6ヶ月間の在留期間中、北九州市の職員により3回の進捗状況確認が行われます。この確認により、事業所の確保や従業員の雇用状況、資金調達の進捗を確認します。進捗が良好でない場合は、帰国を促す指導が行われることもありますので、注意が必要です。
行政書士トラスト事務所によるサポート
スタートアップビザの取得は、専門知識が必要となる複雑な手続きです。行政書士トラスト事務所では、外国人起業家のための「スタートアップサポートフルパック」を提供しています。
スタートアップサポートフルパック (経営管理ビザ6か月+会社設立+ビザ更新) |
600,000円~ +実費(※2) |
※2 実費とは?:法定費用、証明書発行手数料、交通費等の実費が上記料金に追加されます。
料金に含まれるもの
- スタートアップビザ申請
- 在留資格認定証明書交付申請/在留資格変更
- 会社設立(株式会社または合同会社)
- 在留資格更新
申請内容によって、料金は変わります。実際にご依頼を受ける際には、個別のお見積書を作成いたします。また、それぞれの申請やお手続きを個別にご依頼いただくことも可能ですので、ご相談ください。
サポート想定期間
8か月~12か月
- スタートアップビザ申請:1か月+審査期間(1か月前後)
- 在留資格認定証明書交付申請/在留資格変更:1か月+審査期間(3か月前後)
- 会社設立(株式会社または合同会社)・在留資格更新:6か月
上記のサポート想定期間は、あくまでも目安です。申請内容によって、期間は変わりますのでご了承ください。
サービス内容
- 経営・管理ビザ申請手続きに関する相談(メール、LINE:サポート期間中無制限)
- 必要書類のリスト作成
- 在留資格認定証明書および変更申請書類の作成
- 事業計画書と年間投資額説明書の作成サポート
- 母国書類の日本語翻訳サポート
- 創業活動申請書/創業活動確認計画書の作成サポート
- 出入国管理局への申請手続き
- 銀行口座開設や住民票登録サポート
- 会社設立サポート
- 申請理由書の作成
- 在留資格更新手続き
- 問い合わせ対応、追加資料の提出サポート
- 結果通知の受け取り
流れ
① 日本に来てからの住所や事業内容を決める
② スタートアップビザ申請書類の作成
③ 行政機関(北九州市)に書類を提出
④ 創業活動確認証明書を受領(1か月前後)
⑤ 出入国在留管理局に在留資格認定証明書交付申請(創業活動確認証明書の有効期限3か月以内に申請)
⑥ 創業活動を行う(6か月間)
・この期間のあいだに、事務所の確保、設立登記、従業員の雇用、取引先の開拓などを行います。
・また、北九州市による進捗状況確認が3回行われます。
⑦ 出入国在留管理局に在留資格更新申請
行政書士トラスト事務所では、スムーズなスタートアップビザ取得をサポートし、日本でのビジネスを成功させるお手伝いをしています。詳細については、以下のコンタクトフォームからお問い合わせください。
Contact
当事務所では、オンライン面談や出張相談にも対応しております。また、営業日以外でも可能な限りメールやLINEでの対応を行っております。お気軽にお好みの方法でお問い合わせください。以下のボタンからお好きなツールで直接メッセージを送ることができます。